天皇杯決勝 栃木vs千葉 (第94回/2019.01.13)
平成最後
巷では何かにつけて平成最後と言われていますが、バスケの天皇杯もご多分に漏れず今大会が平成最後でした。言ってみたかっただけです。
男子決勝は栃木と千葉の組み合わせ。
Bリーグでもファン/ブースターが特に多く、入場者数も多い両チームですが、twitterのフォロワー数でもバチバチにやりあっていると話題になっていました。
ツイート数とフォロワー数に大きな違いはありませんが、千葉はフォローやいいねをするというSNSの使い方の差が垣間見えます。
結果
40分では決着がつかず、O.Tの末に残り2.6秒に千葉 #2富樫 が逆転のシュートを決め優勝となりました。
この日の富樫は4Qまでの26:46で無得点だったにもかかわらず、プレッシャのかかる最後のシュートを含め5分で5点取るあたりがさすがとしか言いようが無いと感じました。
分析
ORと2P%
最も際立つ数字は栃木のORではないでしょうか?
Bリーグ31節終了時点でのB1平均は 10.45 なので、その2倍以上の数を獲得している23がいかに多いかが分かります。
しかし、ORの数が増えるということはシュートを落としていることになります。
この日の栃木の2P[%]は35.1%とリーグ平均の49.79%と比べてもとても低いことも合わせてチェックすべきポイントだと言えます。
単純には2Pは50%、3Pは33%を超えているかで良し悪しを考えることが多いので、千葉の51.2%は十分な数字と言えます。
FT%
栃木の大黒柱と言われるライアン・ロシターはアウェイの解説者に必ずと言っていいほどに「フリースローが苦手で」と言われています。
3年間で 44.5% → 42.6% → 62.0% と推移しているので、前年比20%upで60%超えているので、もうそろそろ解説者も表現を工夫して欲しいところではあります。
話を戻してFT%ですが、千葉の75%はリーグ平均の71.57%も超えていますし問題なしです。やはり栃木の50%が低いと言えそうです。
リーグ戦との比較
決勝のスタッツだけを見ると堅実に得点を積むことのできた千葉に軍配が上がったように見えますが、普段のリーグ戦と比較してどうだったのかも見てみましょう。
赤文字にしているのは天皇杯、シーズンそれぞれで2チームを比較して優位な数字です。
千葉のFT[%]
シュートに関しては千葉に関してもリーグ戦時と比べると数字を落としているようなのですが、驚いたのはレギュラーシーズンのFT[%]は栃木>千葉だったことです。
PLAYER | FTM | FTA | FT% |
---|---|---|---|
石井 講祐 | 19 | 22 | 86.40% |
西村 文男 | 16 | 19 | 84.20% |
ジョシュ・ダンカン | 67 | 81 | 82.70% |
富樫 勇樹 | 36 | 45 | 80.00% |
トレイ・ジョーンズ | 20 | 25 | 80.00% |
田口 成浩 | 7 | 10 | 70.00% |
ギャビン・エドワーズ | 98 | 151 | 64.90% |
アキ・チェンバース | 16 | 26 | 61.50% |
マイケル・パーカー | 54 | 99 | 54.50% |
小野 龍猛 | 12 | 23 | 52.20% |
大宮 宏正 | 2 | 4 | 50.00% |
原 修太 | 3 | 7 | 42.90% |
藤永 佳昭 | 1 | 6 | 16.70% |
確率なので出場試合数や時間に関係なく列挙してみました。
PG/SGは80%を超えていますが、アテンプトの多いギャビン・エドワーズ : 64.9%で高いとまでは言えず、マイケル・パーカー : 54.5%は低めなのでチームとしての確率が下がっているようです。
そのギャビン・エドワーズは決勝では77.8%(7/9)といつもよりやや好調であり、本数にして1,2本分ではありますが、最終点差から言うとその数字が大きな意味を持っています。
まとめ
O.Tまで戦っているので当然ですが、スタッツからチームの特徴は伺えるもののどちらが勝ってもおかしくない好勝負でした。
FG[%]が低くてもORを取ることで攻撃回数を増やす栃木、一方でTOやFが多くても要所でしっかりとポイントを積み重ねた千葉が僅かながら上回って3連覇を成し遂げた平成最後の天皇杯でした。